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岩手の震災がれきを焼却、抗議活動も 静岡

2012年2月16日 21:41
岩手の震災がれきを焼却、抗議活動も 静岡

 静岡・島田市が試験的に受け入れた、東日本大震災による岩手・山田町のがれきは、16日朝から焼却が行われている。現地や周辺では、放射線量を測定したり、受け入れに反対する住民が集まって抗議活動を行ったりした。

 がれきの搬入2日目を迎えた島田市伊太の焼却施設「田代環境プラザ」の周辺には、がれき受け入れに反対する住民たちが集まり、プラカードを掲げて反対の姿勢を示した。

 反対派の女性「何が何だかわからないうちに進むので、その前に意思表示をしなければと思った」

 反対派の女性「市長のやり方に意見がある。(市長は)独断専行」

 山田町のがれき10トンは16日朝までに全て搬入され、地元自治会による空間放射線量率の測定が行われた。現地に駆けつけた細野環境相は空間放射線量率の計測などに立ち会って、自らも計測、安全性をアピールした。

 細野環境相「0.07。その数値は全く動いていない。山田町の廃棄物は、通常の廃棄物です」

 その後、16日午前8時46分に試験焼却が始まった。がれきは、一般ごみと混ぜた状態で焼却されることになる。

 島田市・桜井勝郎市長「できるだけ多くの市民に、がれきや放射能など、どういう心配・懸念があるのか、地道に説明して、安全性が確認されれば本格導入したい」

 がれきを送り出した岩手県の資源循環推進課・吉田篤総括課長も現地を訪れ、「復興に向かって、一番の障害はがれき。岩手県内で処理しているが、とても処理しきれない。静岡県、島田市民の皆様には、心より感謝します」と述べた。

 また、現地では、がれき受け入れに反対する住民と細野環境相が話し合う場面も見られた。

 施設近くの住民からは「早く検査の結果がわかればいい」「実際、目に見えないので、不安要素は残る。焼却しないと前に進まないので、それはそれでいいと思う」といった声が聞かれた。

 島田市では、子供への影響を懸念する親の不安を解消するため、地元の小学校でも、試験焼却の前後で空間線量率の変化を調べることにしている。焼却施設から約2キロ離れた伊太小学校では、16日午後に空間放射線量率の測定が行われたが、数値に変化は見られなかった。

 試験焼却は17日未明まで続けられることになっている。