熱中症対策…小型扇風機の使い方や日傘の選び方 プールにも“注意が必要” 「熱中症疑い」への正しい対処は?
23日も全国的に猛烈な暑さとなり、40℃に迫るところもありました。熱中症によって亡くなった方も出ていますが、改めて命を守るための対策を「news zero」で取材しました。
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23日、東京消防庁管内で、熱中症で救急搬送されたのは7歳から99歳までの男女121人です。(※午後9時時点)
また、埼玉県三郷市では熱中症で82歳の男性が亡くなりました。
この、危険な暑さ─。
街では様々な「熱中症対策」が聞かれましたが、実は“対策グッズ”の中には、使い方に注意が必要なものもあります。まず、多くの人が持ち歩いていたのが…
会社員(20代)
「2年前くらいに買って、そこから必需品というか」
大学生
「毎日使っています」
──きているのは冷風?
大学生
「いや、温かい風」
小型扇風機です。ただ、医師はその効果について…
済生会横浜市東部病院 谷口英喜医師
「小型扇風機は、研究結果から、体の中心の体温を下げる効果はない。小型扇風機で効果を上げるなら、少し(風を)あてるとこをぬらす。ぬれタオルか、何かで。そうするとさらに冷却効果がある。ただあくまで局所の冷却効果なので、真の熱中症対策ではない」
熱中症対策としては「日傘」が有効だといいますが、その“選び方”にも注意点があるといいます。
谷口英喜医師
「夏場は色を考えてほしい。地面からの赤外線を、内側の傘の色を黒色にすると、全部傘に(赤外線を)吸収してもらえる。外側白・内側黒の日傘を選ぶと、暑さを和らげることができる」
さらに、注意が必要だというのがこの時期多くの人が利用する、「プール」での熱中症です。
谷口英喜医師
「水の中だから涼しいだろうという過信がある。汗をかいても蒸発しないから、体温を下げてくれない。水の中にいると、水が口の中に入ったりして潤ってのどが渇かない。(屋外プールは)炎天下での運動というふうに理解すること。適度に涼しいところで休み水分をとる、これを心がけること(が大切)」
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東京消防庁では、熱中症などの119番通報が相次ぎ、救急隊が“すぐ現場に駆けつけられない”事態に─。
23日も「救急車ひっ迫アラート」が発令され、「適時・適切な利用」が呼びかけられているなか、私たちが「熱中症が疑われる人」を見かけた場合、どうすればいいのでしょうか?
谷口英喜医師
「3つのことをやってほしい。涼しい場所につれて行って休んでもらうこと、もう1つは、体を冷やすこと、そして、できれば水分補給をすること」
ただ、「水分補給」には注意点もあるといいます。
谷口英喜医師
「意識がもうろうとしているときに(水を)飲ませると、誤えんをして肺に入ってしまうので、無理して飲ませないほうがいい」
また、熱中症の場合、体内の塩分濃度も下がっていて、大量の水を飲むとさらに低下する恐れがあるため、コップ1杯程度の水がのぞましいということです。
谷口英喜医師
「熱中症は重症化すること、後遺症を残すことも怖い。救急車を待っている間もできる限りのことをしてほしい」
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この暑さ、いつまで続くのでしょうか─。
気象庁は23日、3か月予報を発表。来月から10月までの期間も、全国的に気温は高くなる見込みで、特に8月前半にかけては10年に1度の高温が予想されるため、より一層の熱中症対策を行ってほしいとしています。
(7月23日放送『news zero』より)