“異常胎児選び中絶”長野の産科医が36例
双子以上の妊娠で胎児の数を減らす「減胎手術」について、長野県のクリニックが、染色体などに異常がある胎児を選んで減胎手術を行っていたことがわかった。
これは諏訪マタニティークリニックの根津八紘院長が8日、日本受精着床学会で発表したもので、クリニックが行った1001例の減胎手術のうち、出生前診断で染色体異常などが見つかった胎児を選んで中絶したケースが36例あったという。法的には減胎手術の規定はないが、厚生労働省の検討会は母子の健康に危険がある場合に限って減胎手術を認めるとしており、論議を呼んでいる。
根津院長「全部中絶するのが正当で、一人を助けるのが倫理に反するのは、その倫理観はどこから来るのかなと。当事者たちの意見をしっかり吸い上げていくのが大事じゃないかと思っている」
根津院長は、異常がわかったからといって全ての胎児を中絶するのではなく、一部の胎児を残すという選択肢も提示する必要があると主張している。