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「知事!」会見場騒然…質問打ち切り退席

2013年12月13日 21:47
「知事!」会見場騒然…質問打ち切り退席

 医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取っていた問題で、13日の東京都議会で厳しく追及された東京都の猪瀬知事。都議会終了後の会見では、この問題に関する質問を打ち切って退席した。猪瀬知事は自らのけじめとして1年間の給料返上を申し出ているが、議会側はこれを認めず、来週以降も委員会を開いて追及していく構え。

 13日午後4時過ぎ、会見場が騒然となった。

 記者「5000万円を受領した日の行動について、お伺いしたい」

 猪瀬知事「徳田毅氏からの借入金に関する質問に対しては、今後の都議会、総務委員会で質疑を行うことが予定されているので、ここでの発言はひかえさせていただきます」「(Q一切答えないということ)ですから借入金に関しては、今後の都議会の総務委員会、(来週の)月曜、火曜予定されていますので」「(Q続投の意思について)借入金問題について、正確に月・火説明したいと思っています。きょうはこれまでにします」

 記者「記者会見、何で開いたんですか!」

 徳洲会グループから5000万円を受け取った問題について、記者の質問に一切答えなかった猪瀬知事。

 13日午後1時から行われた都議会本会議では、議員からその進退を問う発言が相次いだ。

 公明党・斉藤泰宏都議「辞職に相当すると判断せざるをえません」

 民主党・浅野克彦都議「不信任決議の提出も辞さない」

 神妙な表情で答弁を聞く猪瀬知事。都民の信頼回復を目的に、ある条例案を提出した。

 13日に開かれた都議会本会議で猪瀬知事は、期末手当以外の来年1年分の知事の給料約1900万円を返上するための条例案を提出した。徳洲会グループから5000万円を受け取った問題の責任を取るためだが…

 自民党・大場やすのぶ都議「果たすべき説明責任を果たしていない状況で、その正否を判断できるものではありません」 ヤジ「そうだ!」

 浅野都議「子供だましの姑息な手段にほかならない」

 「給料を返上して済む問題ではない」などと非難の声が相次ぎ、採決されなかった。

 さらに、資金問題をめぐって猪瀬知事が都議会の場で事実とは違う発言をしていたことに疑念の声が上がった。

 共産党・松村友昭都議「5000万円について、そのまま自宅に運んだという知事の答弁は偽りであり、実は知事の事務所から運んだことが庁有車の運行記録から明らかになった。

 10日に行われた猪瀬知事に対する集中審議。去年11月20日に徳田毅衆議院議員から資金を受け取った後の行動について追及された。

 民主党・小山くにひこ都議「議員会館を出られたのち、すぐ自宅に戻られた。どこか他に寄られた所はないんですね」

 猪瀬知事「まっすぐ自宅へ帰ったと思います」

 しかし、知事のこの発言が事実とは異なっていたのだ。猪瀬知事が5000万円を受け取った当日に公用車を使用した記録によると、猪瀬知事は当日の午後6時から6時半ごろ、徳田議員の事務所がある東京・千代田区の議員会館で5000万円を受け取った後、自宅に帰ったと説明していた。しかし、記録には午後7時40分、自宅に帰る際に出発した場所は、猪瀬知事の個人事務所がある「港区」と記されていたのだ。

 5000万円を持ったまま個人事務所に向かった猪瀬知事。都議会からは「5000万円を受け取ったことは妻しか知らず、選挙資金ではない」という知事の主張を根底からくつがえす事実だという声も上がっている。

 本会議の後、議長と副議長の元を訪れた猪瀬知事。同じように各会派にも挨拶回りを行う予定だったが、拒否されたという。

 都議会は、来週以降に開かれる集中審議で猪瀬知事をさらに厳しく追及する方針。