医療費抑制へ“メタボ改善”で保険料安く?
おなかの周りを測るいわゆる「メタボ検診」などで症状が改善した人には、健康保険料の負担を軽くするという案を厚生労働省が明らかにした。
15日、厚労省が審議会に示したもので、メタボリックシンドローム検診は40歳以上の人のおなか周りを測定するなどして糖尿病などを防ぐものだが、症状が改善した人の保険料の負担を軽くするというもの。負担軽減の対象は、メタボ検診以外にも、1年間に一度も医療機関にかからなかった人など、他にも考えられていて、仮に導入が決まれば、負担軽減の条件や割引率は各健康保険組合の判断で定められる。
働く世代の健康への関心を高めて、糖尿病などを予防し、将来の医療費を抑えるのが狙い。また15日の審議会では、かかりつけの医師の紹介状なしで、大学病院などの大きな病院に行く患者には、5000円程度の自己負担を求める案も示された。大病院の医師は救急医療などに専念してもらおうというのが狙い。
また、75歳以上の「後期高齢者」が納める保険料について、年金など所得が少ない人の負担を軽くする仕組みを縮小し、年収80万円の場合、保険料を1か月370円から1120円に引き上げる案も示された。増大する医療費を支えるため、働く世代の保険料が上がり続ける中、お年寄りや患者にも、どの程度負担をしてもらうかが課題となっている。
こうした医療保険制度の改正は審議会が来月結論をまとめ、来年の通常国会で関連法が改正される予定。