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外務省 渡航を制限しパスポート発給

2015年4月9日 21:31
外務省 渡航を制限しパスポート発給

 シリアへの渡航を計画してパスポートの返納命令を受けた新潟市のフリーカメラマン・杉本祐一さんに対し、外務省はシリアとイラクへの渡航を制限したパスポートを発給した。杉本さんは「納得できない」と話している。

 新潟市のフリーカメラマン・杉本祐一さんは今年2月、過激派組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件の後に取材のためシリアに行くことを計画した。これに対し、外務省は生命や財産などの保護を理由にパスポートの返納を命じた。杉本さんはパスポートを返納したが、先月20日、改めてパスポートの発給を申請していた。

 これを受け、外務省は渡航制限のあるパスポートを発給することとし、杉本さんは9日、パスポートを受けとった。杉本さんの新たなパスポートはイスラム国の支配地域があるシリアとイラクへの渡航が制限されている。

 外務省によると、日本人人質殺害事件により治安が悪化しているためで、渡航制限はシリアやイラクでの内戦が終息するまでの処置という。

 杉本祐一さん「今まで20年間やってきたことから考えれば、シリア・イラクに行って取材ができないことは、納得のいかないことだし。一般市民の方がいただく普通の渡航制限のない旅券を求めていきたい」

 杉本さんは、国に対する行政訴訟を起こすことも視野に弁護士と相談する考え。