生体肝移植で死亡 病院「体制に問題ない」
生体肝移植を受けた患者4人が相次いで死亡し手術を中止していた神戸市の病院で、手術再開1例目の患者が翌日、亡くなった。病院側は、体制などに問題はなかったとしている。
神戸国際フロンティアメディカルセンターによると、亡くなったのは、重い肝臓病を患う兵庫県西宮市の63歳の男性で、2日前、妻から肝臓の一部の提供を受け、18時間あまりにわたって移植手術が行われた。
センターでは、生体肝移植を受けた4人が1か月以内に相次いで死亡し、日本肝移植研究会から「医療スタッフの体制が不十分」などの指摘を受け、手術を中断していたが、患者の病状などを考慮し再開したもの。しかし、患者の血管がもろくなっており、出血が止められず手術の翌日に亡くなったという。
病院側は5日の記者会見で、手術の成功率は50%で、患者の余命が数か月であることから、手術に踏み切ったとし、体制などが問題ではないと説明している。
患者の家族は「本人も移植手術を受けられたことで生きる希望を持てた。一切の悔いはありません」とコメントしている。