住宅扶助引き下げ “例外措置”周知を
生活保護のうち家賃のための住宅扶助基準が来月から引き下げられる。これについて弁護士らが、事情によっては住宅扶助の額を据え置く例外措置があることをもっと知らしめてほしいと厚生労働省に申し入れた。
厚生労働省は来月から、生活保護のうち家賃をまかなう住宅扶助の引き下げを決めていて、居住地や世帯の人数によって異なるが、ひと月数千円から1万円程度、減額される場合がある。この際、高齢者や障害者が周囲の支援に頼って生活しているケースや、医療機関への通院や通学の事情などで転居が難しいケースは、家賃に見合う住宅扶助を維持し、今の住居に住み続けることができる例外措置もある。しかし、生活保護受給者を支援する弁護士らによると、市町村が高齢者などに例外措置を知らせず、家賃の安い住居に転居するよう強く求める例が相次いでいるという。
弁護士らは、「高齢者や病気を抱える人、母子世帯などは、新しい住まいを見つけるのが難しい上、2013年から3度にわたる生活保護基準の引き下げもあり、家賃と住宅扶助の差額を自分で負担するのが難しい」などとして、「厚労省から市町村に対して、高齢者らに例外措置の周知をしてほしい」と求めた。