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【ポイント整理】宝塚歌劇団…いじめは「確認できず」 遺族側“間違い” 食い違う会見

2023年11月15日 6:10
【ポイント整理】宝塚歌劇団…いじめは「確認できず」 遺族側“間違い” 食い違う会見

■焦点「過重労働」「パワハラ」 食い違う双方の意見

有働由美子キャスター
「遺族側は、『再度検証しなおすべきだ』と、今回の報告書、“間違い”だとまで言っていたんですが、ポイントを改めてお願いします」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「調査報告書は、外部の弁護士による調査チームが、作成したものです。その中で焦点となっていたのは…」

(1)過重労働
(2)パワハラ

小野委員
「まず、過重労働です。遺族側は月に約277時間の時間外労働があったと。対して報告書は、この“277時間”よりは少ない月118時間以上の時間外労働があったとしました。ただ、『心理的負荷があった可能性は否定できない』と、ある程度認める結論を出しました」

「では、次のポイント、パワハラがあったのか。ここ、大事なところです。遺族側は、上級生から『ウソつき野郎』などと叱責されパワハラがあったと主張していました」

「一方の報告書では、『ウソをついていないか』と何度も聞いていた状況は確認されたとしつつも、いじめやハラスメントをしていたという事実は認められなかったと結論づけています」

有働キャスター
「これ、双方の意見が食い違っているわけですけれども、この先はどうなっていくのでしょうか」

小野委員
「この点、労務問題を多く扱う上田貴子弁護士は、今後の民事裁判や、遺族が求める再調査で、パワハラと認められる新たな証拠が出てくる可能性はあるとしています」

■次々と出る“閉ざされた組織”の問題 「見逃さない」ことが…

有働キャスター
「最近、こういう閉ざされた組織や社会の問題がどんどん出てきているんですけど、何かできることってあるんでしょうか」

小野委員
「上田弁護士は、それは『見逃さない』ことだと話しています。苦しんでいる人がいたら、周囲が見て見ぬふりをしない、その人を孤立させない、見逃さないことが大事だと。また、外部に相談できる場所も増えて来ているので、信頼できる場所に相談してほしいと話していました」

有働キャスター
「今回。25歳の夢を持った女性が亡くなったことをお伝えすることで、ショックを受けた人もいるかもしれません」

「心を落ち着かせるためのウェブページ、『こころのオンライン避難所』。深呼吸をする、ストレッチをする、今の気持ちを書いてみる、気持ちを落ち着かせる方法などが具体的に紹介されています」

「誰かに直接悩みを聞いてもらいたい人には、電話窓口もあります。『よりそいホットライン』では24時間いつでも相談することができます。LINEの『生きづらびっと』や『こころのほっとチャット』は、友だち追加で相談することができます。1人で悩みを抱えずに相談してみてください」

◇こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
◇「生きづらびっと」「こころのほっとチャット」:LINEで友だち追加

(11月14日放送『news zero』より)