台風15号 九州で文化財倒壊、避難勧告も
台風15号は強い勢力を保ったまま25日午前6時過ぎに熊本県に上陸。各地で、猛烈な雨や風を記録している。山口県下関市では、市内全域の約29万人に避難勧告が出されるなど、九州や中国地方などで警戒が続いている。
熊本市で25日午前5時28分に、8月としては観測史上1位となる最大瞬間風速41.9メートルを観測した。熊本県内では、宇城市の40代男性が飛んできたものが顔にあたり重傷となるなど、これまでに少なくとも22人がケガをした。また、九州電力によると、午前9時現在で約17万9900戸が停電している。このほか、熊本城内にある県の重要文化財・旧細川刑部邸の高さ2メートルの長塀が約70メートルにわたって倒壊したほか、熊本市中央区では家屋の2階部分の壁が崩落するなどの被害も出ている。
25日未明から朝にかけて暴風域に入った鹿児島県の本土は、枕崎市で45.9メートル(午前2時23分)、鹿児島市で45.0メートル(午前2時51分)の最大瞬間風速を観測した。鹿児島県内では、あちらこちらで木が倒れて道をふさいだほか、屋根が飛ばされたり、車庫が壊れるなどの被害が出ている。この台風の影響で、割れた窓ガラスで13歳の少年が顔や手を切るなどのケガをしたほか、強風にあおられた扉に指を挟んだ男性が病院に搬送された。いずれも軽いケガだという。
福岡県内は25日午前7時、北九州空港で最大瞬間風速35メートルを観測した。各地では看板が倒れたり、冠水するなどの被害が相次いでいる。九州電力によると、福岡県内では午前8時現在、約3万世帯で停電していて、復旧作業が進められている。