「この日を待っていた」嶽温泉郷が営業を再開 源泉温度低下と湯量減少で休業余儀なくされ… 温度・湯量に“不安”残る
去年の年末から80℃の源泉が50℃に下がり、お湯の量も5分の1に減少したため、複数の旅館が営業できない事態となっていた青森・弘前市にある「嶽温泉郷」で、大型連休を前に6軒のうち5軒の旅館が営業を再開しました。
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熱いお湯が出なくなっていた青森・弘前市にある「嶽温泉郷」。
嶽温泉旅館組合 小嶋庸平組合長(今年1月)
「現状あまり期待できる温度と量が確保できていません」
嶽温泉では、去年の年末から80度の源泉が50度に下がり、お湯の量も5分の1に減少。複数の旅館が営業できない事態となっていましたが、3月中旬には気温が上がってお湯が冷めにくくなったとして一部の旅館で営業を再開しました。
源泉から最も離れた「嶽ホテル」ではお湯の温度が上がらず、休業が続いていましたが、休業から約3か月半が過ぎた4月18日から営業を再開しました。一時32℃まで下がったお湯の温度は40℃まで上がり、入浴が可能となったのです。
嶽ホテル 萢中るみ子おかみ
「本当にこの日を待っていたので、今は安心しています」
大型連休を前に営業の再開を可能にしたのは、山奥にあり冬場は使えない別の源泉です。今年は雪どけが早かったため例年より2か月前倒しで整備ができたといいます。
これで6軒のうち5軒は営業を再開しましたが、残る1軒は湯の量が足りず休業が続いています。さらに、冬に使える熱い源泉は確保できていないため、通年での営業は厳しい状況で、旅館組合は弘前市に対し源泉の掘削費用を支援してほしいと要望しています。また、インターネットで資金を集めるクラウドファンディングの活用も検討しています。
嶽温泉旅館組合 小嶋庸平組合長
「皆様のご協力を受けられれば、嶽温泉もなんとか存続できると思いますので、ご協力いただければと思います」