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翁長知事と稲嶺市長「強権的」埋め立て着手

2015年10月29日 12:31
翁長知事と稲嶺市長「強権的」埋め立て着手

 沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先である名護市辺野古で、政府は29日朝、海の埋め立てに向けた陸上での工事に着手した。

 アメリカ軍「キャンプ・シュワブ」の沿岸では、29日朝から、海上でのボーリング調査の再開に向けてクレーンや重機が動いているのが確認できる。さらにその奥では、ついに辺野古での基地本体の建設工事が始まった。普天間基地の県内移設が持ち上がって19年、普天間問題は一つの節目を迎えた。

 政府は29日朝、キャンプ・シュワブの陸上部で、埋め立てに使う護岸工事に必要な資材置き場を整備する工事を始めた。キャンプ・シュワブのゲート前には、早朝から抗議する市民約100人が集まり、午前7時ごろには、工事用とみられる車両の行く手をふさいで、それを排除しようとする警察官と激しくもみ合った。1人が逮捕されている。

 稲嶺名護市長「地方自治を全く無視する形になりますし、人権までも踏みにじる行為ですので、これはとても許される行為ではない」

 翁長沖縄県知事「(工事再開は)強権極まるということで、大変残念に思うが、これからしっかりと対峙(たいじ)していきたいと思っています」

 翁長知事、稲嶺市長とも、国の姿勢を強権的と表現し、強く反発した。また、沖縄県庁には午前10時半、国土交通相から、改めて海の埋め立てを承認するよう勧告する文書が届いた。しかし、翁長知事はこれに従わない方針で、今後、政府と県側はともに法廷闘争も辞さない構え。両者の対立は決定的な状況となっている。

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