旭化成建材 東京などでデータ流用9件確認
旭化成建材による杭(くい)打ち工事のデータ改ざん問題で、調査中の全国3040件について、約1割に当たる300件前後で、データ流用の疑いがあることが新たに分かった。
旭化成側による内部調査で傾いたマンションを担当した現場代理人が関わった41件のうち、約20件でデータの改ざんや流用があった疑いが出ているが、旭化成建材が過去に請け負った全国3040件についても、約1割に当たる300件前後で、データ流用の疑いがあることが関係者への取材で分かった。
改ざんを行った現場代理人は10人以上になるとみられ、理由については「データ取得に失敗した」「データを紛失したため」などと話しているという。
旭化成側は2日、問題の現場代理人が関わった41件の調査結果を国土交通省に報告し、公表する。
一方、東京都の2つの施設でも新たにデータ流用が判明した。流用が判明したのは、八王子市にある首都大学東京6号館の教室棟と狛江市にある都立狛江高校の格技棟。いずれも杭の一部のデータが流用されていたが、建物に傾きなどはなく、東京都は安全性に問題はないとしている。データの流用が確認されたのは、これで、北海道、東京、神奈川の合わせて9件となる。
相次ぐデータ流用の発覚に事態を重く見た国土交通省は、2日午後にも旭化成建材に立ち入り検査を行い管理体制などを調べる方針。