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流用してしまう環境にあった~旭化成副社長

2015年11月3日 4:32
流用してしまう環境にあった~旭化成副社長

 杭(くい)打ち工事のデータ改ざん問題で、2日、旭化成側が会見を開き、傾いたマンションの現場代理人が関わった19件で、データの流用が確認されたと発表した。

 旭化成建材・堺正光取締役常務執行役員「41件の全対象物件に対し、現時点で横浜市所在マンションを含む19件にデータ流用等の事実を確認しております」

 旭化成・平居正仁代表取締役副社長「少なくとも多くの現場代理の人が、そういうことをしてしまう環境にあったということは認めたいと思う」

 旭化成側は会見で、問題の現場代理人が関わった建物が2件増え、全部で43件だったとした上で、19件でデータの流用が確認されたと明らかにした。1件はまだ調査中だとしている。

 19件の内訳は愛知が14件、東京、神奈川、石川、静岡、三重が1件ずつだという。この他、問題の現場代理人以外が関わった複数の建物でもデータ流用が見つかったということだが、詳細は明かされなかった。

 また、データ流用があった建物は、横浜市の傾いたマンション以外で異常は確認されていないということだが、「安全性については、元請けの施工会社の協力が必要で、旭化成だけでは判断できない」としている。

 一方、流用の動機については、工事の不具合を隠ぺいするためではなく、施工報告書の作成がいい加減で、そのチェック体制が不十分だったとの認識を示した。