夫婦別姓を認めていない今の民法の規定が憲法違反かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は４日、当事者双方の意見を聞く「弁論」を開いた。

　この裁判は事実婚の夫婦ら５人が「選択的夫婦別姓」を認めていない今の民法の規定は、「個人の尊重」や「婚姻の自由」を定めた憲法に違反するとして、国に対して６００万円の損害賠償を求めているもの。

　１５人の裁判官全員が参加する最高裁の大法廷で４日、当事者双方の意見を聞く「弁論」が開かれ、原告側は「今の民法は姓の変更を強制されない権利を侵害している。女性差別に当たり憲法違反だ」と主張した。

　一方、国側は「夫婦別姓は憲法上、保障されている権利ではなく、今の制度は結婚の時、夫か妻いずれかの姓を選べるようになっているため、女性差別にも当たらない」と反論した。

　裁判は４日で結審し、最高裁は早ければ年内にも判決を言い渡し、夫婦別姓を認めないことが憲法違反かどうか初めての判断を示す見通し。