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箱根山の噴火警戒レベル「1」に引き下げ

2015年11月20日 14:21
箱根山の噴火警戒レベル「1」に引き下げ

 気象庁は20日午後2時、神奈川県の箱根山の噴火警戒レベルを約6か月半ぶりに2から1に引き下げた。しかし、火山ガスの濃度が高いため、箱根町などは大涌谷周辺で行っている立ち入り規制を今後も続けることにしている。

 箱根山では火山性地震が相次ぎ、今年6月には、ごく小規模な噴火が発生したため、気象庁は火口周辺警報を出して警戒を続けていた。しかし、箱根山の大涌谷で噴火の可能性が低くなったとして、20日午後2時、箱根山に発表していた火口周辺警報を解除して、5段階の噴火警戒レベルを火口周辺で規制が必要なレベル2からレベル1に引き下げた。

 噴火警戒レベルが1に戻るのは5月6日以来、約6か月半ぶりのこと。しかし今後も、火山ガスに十分注意するように呼びかけている。

 気象庁によると、箱根山では今年4月下旬以降、大涌谷周辺のごく浅い所を震源とする火山性地震が相次いだほか、地下の熱水の膨張が原因とみられる地殻変動も観測されるなど、火山活動が活発化していた。

 このため、観光スポットの大涌谷の立ち入り規制が行われたほか、箱根ロープウエイが全線で運行を見合わせていた。さらに6月下旬には大涌谷でごく小規模な噴火がおき、その後も、勢いよく噴気が上がり続けるなどしたため、箱根の宿泊施設ではキャンセルが相次ぎ、観光客が大きく減少するなど影響が出ていた。

 噴火警戒レベルは1に引き下げられたが、大涌谷では有毒な火山ガスである二酸化硫黄の濃度が高いため、箱根町と神奈川県は大涌谷の立ち入り規制を今後も継続することを決めている。

 また、大涌谷に通じる県道734号線の一部区間の交通規制も当分の間、続けられることになっている。