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「学習指導要領」約10年ぶりに全面改訂へ

2016年1月1日 23:35

 文部科学省は、今年度中に小中高校の学校教育の基準となる「学習指導要領」を約10年ぶりに全面改訂する方針。改訂された内容での授業は、2020年度から順次導入される予定。

 今回の改訂では、これまでの知識偏重型から脱却し、思考力や表現力を主体的に育むアクティブラーニングを重視する方針で、ポイントは「英語教育の強化」と「地理歴史、公民に新必修科目」だ。

【1.英語教育の強化】
 急速に進むグローバル化に対応し、国際的に活躍できる人材を育成するため、小学校からの英語教育を強化する方針。現在、小学校では5~6年生に対し、英語を聞いたり話したりして慣れ親しむ「外国語活動」が行われているが、今後はこれを3年生に前倒しして週1回程度実施する。

 その後の5~6年生では英語を正式な教科にした上で、コミュニケーションの基礎を養成するため、「聞く・話す・読む・書く」を意識した授業を週2回程度実施する。

 一方、中学校では原則英語での授業を行い、高校では発表やディベートを通じ、より高度な英語力を身につけさせるとしている。


【2.地理歴史、公民に新必修科目】
 日本人としてのアイデンティティーに関わる歴史教育を充実させるため、高校の「地理歴史」「公民」の科目構成を大きく見直す。

 現在、「地理歴史」では「世界史」が必修科目だが、それを見直し、日本と世界との関わりを近代史を中心に学ぶ「歴史総合」という科目を新たに作り、必修科目にする。また、グローバルな視点で課題を解決する力を育てるために「地理総合」という新科目を作り、これも必修科目にする。

 一方、「公民」でも選挙権が18歳以上に引き下げられたことなどを受け、「公共」という新科目を作り、必修科目とする。「公共」の授業では、模擬選挙や模擬裁判、ディベートを取り入れたり、選挙管理委員会の担当者など外部の専門家を招いたりして主体的に社会に参画するための力を養うことなどにつなげるとしている。

 今年度中に全面改訂される新学習指導要領の実施時期は、小学校は2020年度、中学校は2021年度、高校は2022年度以降になる予定。

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