公益法人が高齢者預託金2億7千万円を流用
身寄りのない高齢者を支援する公益財団法人「日本ライフ協会」が、高齢者から預かった資金約2億7000万円を役員の手当などに流用していたことがわかった。
公益財団法人「日本ライフ協会」は、高齢者約2300人と契約し、転居や入院の際の保証人や買い物の付き添い、死亡後の葬儀など、様々なサービスを提供している。しかし去年9月、内閣府が調査したところ、葬儀費用などのために高齢者から預かった資金のうち、約2億7400万円がなくなっていることが発覚した。役員の手当や運営費などに流用していたとみられる。国に対しては、預かり金を弁護士などが管理すると届け出ていたが、実際には、協会自身が管理していたという。
内閣府はこうしたずさんな実態を重くみて、今月15日、総理大臣名で改善を勧告し、19日、8人の理事全員が引責辞任した。
日本ライフ協会は、取材に対し、「大変なご迷惑をおかけし、おわび申し上げます」と話しているが、その一方で、資金流用の実態は辞任した理事たちしかわからず、失われた預かり金をどう補てんするかについても、「検討中だ」と述べるにとどまっている。