旅行会社がバス会社に法外な手数料要求も
軽井沢でバスが転落した事故に関連して、旅行会社がバス会社に対し法外な手数料を要求するケースがあることが分かった。
国土交通省の特別監査などの結果、転落事故を起こしたバスを運行していた「イーエスピー」は、旅行会社「キースツアー」から国の基準を下回る違法に安い料金で運行を受注していたことが分かっている。
旅行会社からバス会社に支払われる料金を巡っては、安すぎると安全な運行が確保できないとして、2014年に国が料金の基準を引き上げた。しかし、バスの業界団体「日本バス協会」によると、料金基準が引き上げられた後、旅行会社がバス会社に対し20%から40%の法外な手数料を要求するケースが出てきたという。
日本バス協会は「バス会社は旅行会社よりも弱い立場だ」とした上で、「安全性を担保するために、料金基準が引き上げられたにもかかわらず、旅行会社が高い手数料を吸い上げることで、バス会社に入る料金は実質的に上がっておらず、制度自体が骨抜きになってしまっている」と指摘している。
この手数料について国交省は、「商慣習としてやりとりされているもののため、規制はできない」としている。