春闘 賃上げ相次ぐも、上げ幅去年下回る
16日は、来年度の給与などについて、労働組合と経営側が交渉する春闘の集中回答日だった。大手企業からは賃上げの回答が相次いだ一方で、上げ幅は去年を下回るところが目立った。
自動車や電機メーカーなどの労働組合が集まる金属労協の事務所には、3年連続の賃上げとなる月給のベースアップ、いわゆる「ベア」の回答が相次いで寄せられたが、上げ幅は過去最高水準だった去年を下回るところが目立った。
春闘の相場作りをリードする、トヨタ自動車は3000円の要求に対して月額1500円のベアを回答し、去年より2500円低い額だった。
金属労協は、「3年連続で賃上げを勝ち取ることができたことで、デフレ脱却や経済の好循環のために一定の役割を果たすことができた」としながらも、経済の先行き不透明感などから「企業側は厳しい姿勢に終始し、交渉はこの3年間で最も難航を極めた」としている。
去年は大手企業の6割以上がベアを実施する一方で、中小企業でのベアは2割弱にとどまっていたことから、今年は賃上げの流れが中小企業にも広がるか注目される。