三宅島 火山ガスの濃度が大幅増加
伊豆諸島の三宅島で地下の火山ガスの動きを示す火山性微動が発生したほか、火山ガスの濃度が先月に比べて大幅に増加していたことが、気象庁の調べで分かった。
気象庁の観測によると、三宅島では11日午後11時ごろから12日午前3時ごろにかけて、地下の火山ガスの動きを示す火山性微動が断続的に発生した。さらに午前中、島内で火山ガスの調査を行った結果、放出量は約1200トンで、先月12日の80トンに比べて大幅に増えていたという。三宅島で火山ガスの放出量が1000トンを超えたのは2013年8月以来のこと。
気象庁は、地震活動などそのほかの観測データに大きな変化が見られないことから、すぐに噴火に結びつく可能性は低いと分析している。しかし山頂の火口では、突然、火山灰が噴出したりする可能性もあるため、火口から500メートルの範囲には立ち入らないよう、警戒を呼びかけている。
三宅島では、2000年の噴火で全島民が島の外に一時避難したが、2013年1月を最後に噴火は発生しておらず、火山ガスの濃度も下がってきたことから、去年9月に居住制限がすべて解除されている。