【ストップ自殺】「夏休み明けの学校ほんとむり」……24時間態勢、相談の現場 落合さん「行きたくなかったら行かなくていい」【ココロが疲れ切る前に】
18歳以下の自殺が特に多くなる、夏休み明け。相談に応じるNPO法人を取材しました。団体は夏休み中の不規則な生活が関係していると分析し「ささいなことでも相談を」と呼びかけます。また、悩む人に寄り添うコツとして「TALKの原則」があります。
■相談の7割は…20代以下の若い世代
都内にあるNPO法人「あなたのいばしょ」を訪ねました。悩み相談の無料チャットに寄せられていたのは、「学校に行くのが辛い」「夏休み明けの学校ほんとむり」といった悩みでした。
多くの地域で、もうすぐ夏休みが終わります。連日1500件近くの相談が寄せられていて、その約7割は20代以下の若い世代だといいます。中には、「死にたい助けて」「辛い消えたい」という言葉もあります。
取材中、「自殺リスクの高い相談が発生しました」というアナウンスとともに警報音が鳴りました。システムが危険度の高い相談と判断した場合、警報音が鳴る仕組みです。1時間に10回ほど鳴るといいます。
■世界30か国、700人態勢で対応
18歳以下の自殺が特に多くなる、夏休み明け。本人にさえ、何が悩みか分からないこともあるといいますが、「あなたのいばしょ」はその要因について、夏休み中の不規則な生活も関係していると分析しています。
NPO法人あなたのいばしょ・大空幸星理事長
「将来に対する漠然とした不安、勉強に関する不安であるとか、(夏休みの)生活リズムが狂った状況の中で、さらに悩みを抱えていくことによって、ある種の負の連鎖のようなものが起きていく」
■理事長「どんなささいな悩みでも」
相談は深夜から朝方に集中します。24時間対応するため、海外に住む日本人などに相談員として協力してもらい、世界30か国、700人態勢で対応しているといいます。
団体が伝えたいのは、どんなささいなことでも相談してほしいということです。
大空理事長
「相談してはいけないことは1つもありません。どんな相談、どんなささいな悩みであったとしても、ぜひ私たちにその話を聞かせてほしいと思っているので、本当に気軽な気持ちで相談しに来ていただければなと思います」
■落合さん「無理に学校に行くと…」
有働由美子キャスター
「こうした取り組みをどう感じましたか?」
落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「知人にもこういう活動をやっている人がいますが、彼は 1 人でやっているので、(今回のように)時差を利用して世界各国に相談する人がいるのはいいんじゃないかなと思います」
「僕が思うのは、学校なんて行きたくなかったら行かなくていいんですよ。」
「僕は行きたくなかったら学校に行かなかったですし、学校に行きたくないのに無理に行くから余計に行きたくなくなってしまうので」
「もしかしたら 2、3 日休んだら行きたくなるかもしれないし、ならなかったとしても大丈夫です。1年や2年違う道を行っても全然変わらないし、人生に何の問題もないと思うので、学校に行かなくていいと思います」
有働キャスター
「落合さんの言葉が、一人でも多くの悩んでいる方に届けばと思います」
■悩んでいる人と一緒に考える「原則」
有働キャスター
「今回取材した記者は、悩んでいる方が相談することをためらっていると感じたそうです。私たちの周りにもそういった方がいるかもしれません」
「文部科学省と厚生労働省のホームページによると、『TALKの原則』があります。(最初は)Tellで、少しでも異変を感じたら『心配だよ』と言葉で伝えます」
「(次は)Askで、『死にたい』とどんな時に思うのかをはっきりと尋ねる。ただし『頑張って』と安易に励ましたり、『死ぬなんてバカなこと考えるな』と叱ったりしてはいけません」
「(3つ目は)Listenで、徹底的に聞き役になって話をよく聞く。『話してくれてありがとう』と伝えることもいいかもしれません。(最後は)Keep safe。1人にさせず、安全を確保する。こうしたことが、悩んでいる方と一緒に考える第一歩になります」
「悩みを抱えているという方もいらっしゃるかもしれません。『あなたのいばしょ』の他にも、24時間いつでも相談できる電話窓口『よりそいホットライン』(電話番号は0120-279-338、岩手・宮城・福島は 0120-279-226)があります」
「また、LINEでの相談窓口『生きづらびっと』『こころのほっとチャット』もあります。ためらわずに、どんな悩みでも相談してみてください」
(8月22日『news zero』より)