福島第一原発の凍土遮水壁 追加工事へ
福島第一原発の汚染水対策として運用を始めた「凍土遮水壁」について、東京電力は凍結を始めた場所の全体の3%が凍っていないことから、新たに薬剤を注入して追加工事を行うことを決めた。
「凍土遮水壁」は、汚染水の発生源となっている地下水の流入を防ぐため建屋周囲の地盤を凍らせてつくる氷の壁のことで、3月末から運用が開始された。
東京電力によると、凍結を始めた場所のうち、全体の97%が0℃以下となり効果が出始めた。しかし1号機の北側や4号機の南側など3%については温度が下がらず、10℃を超える地点も数か所あり、凍っていないという。
東京電力は地中に大きな石や砂利などが埋まっているため、地下水の流れが速く凍結が進んでいないとみている。このため、東京電力は新たに薬剤を注入して地下水の流れを遅くする追加工事を行うことを2日、原子力規制委員会に伝え、了承された。