自然色を追求“人工知能×カラー変換”技術
インターネット上で話題となった言葉を毎回一つ取り上げ、日テレNEWS24・デジタル編集チームが取材する「Hot Word」。8日は「人工知能で白黒写真をカラーに」。
6月6日、「人工知能で白黒写真をカラーに」という言葉を含んだツイート数が、急激に伸びました。ネット上でも「どんどん進化していくなぁ」「テンションあがりました!」「人工知能すごすぎ!」と盛り上がりを見せました。
そこで私たちは、1960年代に撮影された写真をカラーにしました。(どんな写真かは、動画をご覧ください)人物の肌の質感など、当時の様子がカラーになることによって、より鮮やかによみがえります。
この技術は、早稲田大学・理工学術院の石川博教授、研究院助教飯塚里志研究員助教、シモセラ・エドガー研究員助教らの研究グループが開発しました。
■どうやって色を判断するの?
これまでも白黒写真をカラーにする技術はありましたが、多くは人の手で色を判断した上で、色づけをしていました。
本来、コンピューターは、写真の中に写っている人や植物、動物などの特徴を捉え、それが何であるかを認識するのは難しいのですが、この技術は人工知能が写真の内容を判断した上で、白黒写真に色をつけてカラー化しています。
大量の白黒・カラー画像の組み合わせから、色付けの手掛かりとなる「特徴」を人工知能が学習し、その「特徴」を使って白黒写真をカラー変換します。つまり、人の手を必要とせず、コンピューター上で白黒写真をカラーに変換することができるんです。
■追求したのは「正確な色」ではなく「自然な色」
今回、石川教授の研究グループにお話を聞いてきました。まず、この技術には大事なポイントがあるそうです。それは「自然な色づけ」。
石川教授によりますと、この技術を開発するにあたっては230万枚もの写真を取り込んで、人工知能に学習させたそうです。そのデータを基に人工知能が「自然な色づけ」になるよう特徴を分析し、白黒写真をカラー化しているそうです。
また、自然な色づけに近づけるために、写真から「全体の特徴」と「部分的な特徴」を組み合わせます。こうした特徴を組み合わせることで、自然の緑や人の肌など、より状況にあった自然な色づけを自動的に行うことを可能にしました。
この技術は写真の正確な色を再現するものではなく、あくまで自然さを求めたものなので、そのあたりは誤解をしてほしくないそうです。