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福島第一原発「石棺」に福島県知事が要望書

2016年7月15日 17:14

 福島第一原発の廃炉技術を研究する国の専門組織が、事故で溶け落ちた核燃料を取り出さずにコンクリートで建屋内に閉じ込める「石棺」の可能性について言及したことをめぐり、福島県の内堀知事は15日、経済産業省を訪れ、「石棺方式は到底容認できるものではない」とする要望書を高木副大臣に手渡した。

 この問題については13日、国の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が福島第一原発の廃炉に向けた技術的な計画書を公表した。その中で、事故で溶け落ちた核燃料を取り出さずにコンクリートで建屋内に閉じ込める「石棺」の可能性について言及し、「長期の安全管理は困難」と問題点を指摘しつつも、「今後、内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切」と、石棺の方法に含みを持たせた計画を示していた。

 内堀知事は15日、経済産業省を訪れ、高木副大臣に「石棺方式は到底容認できるものではなく、燃料デブリを確実に取り出し県外で処分すること」をあらためて要望した。高木副大臣は「国としては石棺で処理をする考え方は一切ない」とし、廃炉機構には、計画書を書き直すよう指示したことを明らかにした。

 国や東京電力は、核燃料をどのようにして取り出すかの方針を来年夏頃までに決める予定。