本物そっくり“なりすましメール”の対策法
インターネットを中心に話題となった出来事の中から“もっと”知りたいニュースを取り上げる「news every.」鈴江奈々キャスターの「MOTTO」。
宅配業者などになりすましたメールが「本物そっくりだ」とネット上で話題となっている。間違ってメールを開くと、どんな被害があるのか。ニセモノの見分け方を取材した。
■文面だけでは「判断難しい」
今、宅配業者や都市銀行などを装った不審メールが相次いでいる。インターネットのセキュリティー会社によると、こうしたメールは、ここ2か月ぐらいで増えているという。また、最近の不審メールは、文面だけでは、素人では全く判断できないのが特徴だという。
“クロネコヤマト”のなりすましメールと本物と見比べてみると、差出人のアドレスは全く同じだ。また、中の文面も「お届け予定日時」など似た部分が多く、本物と偽物との見分けがつきにくくなっている。
■不審メールの特徴は“添付ファイル”
しかし、専門家は「偽物の不審メールには、ある特徴がある」という。一番は“添付ファイル”がついていることだ。不審メールの添付ファイルを開くとウイルスに感染し、自分の情報が送り手のパソコンで遠隔操作され、個人情報が筒抜けになる可能性がある。
それ以外にも、銀行のオンラインバンキングなどに口座を持っていると、自分の口座のお金を盗まれることもある。
今回、不審メールの被害を受けた宅配業者や銀行などの各社は、ホームページで注意喚起している。また、添付ファイルを絶対に開かないように呼びかけるとともに、添付ファイルを開いた場合は、コールセンターで相談に乗るなどの対応をしているという。
■添付ファイルを開いてしまったら…
一方で、不審メールは「銀行のなりすましメール」でも出回っている。例えば「振込受付完了のお知らせ」というタイトルのメール。本文には「金融機関等を装う電子メールにご注意ください」と書かれていて、一見偽物とは分からないようなものもある。
専門家によると、万が一、添付ファイルを開いてしまった場合はパソコン上の個人情報が抜き取られないようにインターネットの接続を切って専門業者などに相談してほしいという。
過去に日本年金機構の職員が「なりすましメール」を開いて約125万件の個人情報が流出したが、まさに同じ手口だ。
去年秋以降、日本に大量にやってきている標的型攻撃メールは、最終的には企業の知的財産を抜き取る狙いがあるとも言われているので、企業側も注意してほしい。