残業時間に“上限” 議論スタート
長時間労働をなくすため、厚生労働省は事実上、無制限の残業を課すいわゆる「36協定」などについて専門家の会議を立ちあげ、残業時間に上限を設ける方向で議論を始めた。
9日に開かれた厚生労働省の検討会の初会合では、労働基準法36条に基づいて、経営側と労働者側が結ぶ「36協定」などについて議論が行われた。
この協定では、労使が合意すれば上限を設けて残業させることができるが、繁忙期などに備えて、「特別条項」を設ければ、ひと月の残業時間の上限を無制限に決めることができる。これが長時間労働の原因の1つだという声を受けて、検討会では残業時間に上限を設ける方向で議論を始めた。
その一方で、労働時間を減らすには、制度を厳しくするだけでは不十分で、大企業と下請けの関係なども見直すべきという意見も相次いだ。