小池知事「緊張感持ち取り組みを」緊急会議
築地市場の移転先の豊洲市場で、土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、小池知事は12日、都庁で緊急会議を行い「緊張感を持って取り組んでほしい」と指示した。
豊洲市場の建設地は元々はガス工場の跡地で、建設前、有害物質による土壌汚染が確認されたため都は858億円をかけて汚染された土壌を深さ2メートル分取り除いた上で、高さ4.5メートル分新しい土で「盛り土」をしたとこれまで説明していた。
しかし実際には、水産卸売場棟など建物の地下は空洞になっていて「盛り土」は行われていなかったことが発覚したもの。小池知事は12日午前、都の関係する部署の責任者を集めた緊急会議を行い「緊張感を持って取り組んでほしい」と指示した。
「安全性の評価を確認するのが第一、今回の一連の経緯についてきっちりと精査・調査・検証する作業をお願いしたい」-小池知事はその上で、建設前に「盛り土」を提言した専門家会議を再開するよう指示した。
取材に対し都の担当者は「説明が不十分だった」とする一方で、「法律で定められた厚みのコンクリートを敷いているため安全性は確保できている」などと釈明しているが、空洞部分の床には水のような液体がたまっていて安全性を疑う声も上がっている。
小池知事は10日、会見を行い、第三者の専門家らによるプロジェクトチームを立ち上げて、事実とは異なる説明がされてきた経緯や安全性などを調査する考えを示したが、この問題の発覚で築地市場移転はさらに遅れる可能性も出てきた。