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豊洲市場 青果棟地下にコンクリ敷かれず

2016年9月12日 21:29
豊洲市場 青果棟地下にコンクリ敷かれず

 築地市場の移転先の豊洲市場で、土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、青果棟の地下の空洞の床には、コンクリートが敷かれていないことが分かった。

 豊洲市場の土壌汚染対策をめぐっては、東京都はこれまで汚染された土壌を深さ2メートル分取り除いた上で、高さ4.5メートル分新しい土で「盛り土」をしたと説明していたが、実際には、水産卸売場棟など主な5つの建物の地下は空洞になっていて「盛り土」は行われていなかったことが分かっている。

 このうち水産卸売場棟と水産仲卸売場棟の地下の空洞の床にはコンクリートが敷かれているが、青果棟の地下の空洞の床にはコンクリートは敷かれておらず、石が約50センチの厚さで敷き詰められたままとなっていることが分かった。

 これについて東京都は、「空洞の床のコンクリートは、作業上の都合で敷いたもので、土壌汚染対策で必ず必要なものではない。直下の土壌や地下水は全て浄化しているので安全性に問題はないとこれまでは考えていたが専門家の調査結果を待つ」と説明している。

 また、建設前、工法などを検討する技術会議の中で、地下水のモニタリングを行うため建物の下に空洞が必要だとされたが、その空洞を駐車場などとして有効利用する計画が提案されていたことも分かった。

 しかし、土壌汚染対策を検討する専門家会議で「揮発性の有害物質が入ってくる可能性があるため、地下の空洞部分に人が頻繁に立ち入る施設はつくらない方がいい」との意見が出ていた上、経費と工期を考慮した結果空洞を有効利用する計画はなくなったという。