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市議辞職9人…稚拙な“領収書偽造”横行か

2016年9月23日 19:26
市議辞職9人…稚拙な“領収書偽造”横行か

 富山市議会で市議による政務活動費の不正が相次ぎ、具体的な手口が明らかになった。その行為は単純で驚くものばかりだ。

■富山市議会では、政務活動費をめぐって、市議の辞職が相次いだ。

■辞職した議員は、自民党系が7人、民進党系が2人の計9人にのぼる。本来なら議会で対峙するはずの自民党系と民進党系の議員がそろって不正に手を染めるという異常事態だ。

■浅名元市議は、記者の直撃で、白紙でもらった領収書を使って政務活動費をだまし取ったことを認めた。

■浅名元市議「(Q:この領収書、これは白紙ですよね?)はい、白紙です。もらって、当日書きました」「(Q:この金額は実際に使ってないんですよね。市政報告会を開いていないんですよね)開かなかったです」

■辞職した岡本市議(65)は、なんと市議自らがパソコンを使って、市政報告会の茶菓子代として、参加人数を実際の2倍の400人に水増しして、20万円を受け取っていた。

■民進党系の民政クラブがお茶と茶菓子代として請求した領収書がある。金額は42,268円だが、万の位にある「4」の数字が、窮屈そうに不自然な場所に書かれている。領収書を出した店を取材すると、店側は、領収書は2268円だったと証言した。

■針山元市議「“4”を加えておけという指示もしました」

■水増し請求するために、女性事務員に万の位に「4」を書き足すように指示したと明かした。

■領収書に数字を加えるこの手口には、さらなる疑惑がある。実は、対峙しているはずの自民党系の会派の議員と全く同じ手口なのだ。

■領収書と見比べてみると、購入先の店が同じなのはもちろん、万の位に「4」を書き足した金額、それにただし書きも「お茶・茶菓子代100人分」と全く同じ。店は取材に対して驚きの証言をしている。

■店側「2つの領収書は、同じ女性に渡した」

■民進党系の会派の針山元市議は「自民党会派の女性の方から、『一緒に買ってきてください』と、一緒に買って来て領収書と現物を渡した」と、自民党の事務員から頼まれたと説明した。

■富山市議会の不正請求額は、自民党系が約1330万円超、民進党系約1940万円で、合わせて3000万円を超えるとみられている。

■23日、針山元市議が、不正について単独インタビューに応じて、不正の8割は、白紙の領収書への記載だと明かした。その上で、白紙の領収書は会派の会長である高田元市議が請求したもので、組織ぐるみだったと証言した。

■議会の約4分の1にあたる9人が辞職した富山市議会。自民党系の会派は、当面政務活動費を使わないことを決めた。