地下空間「不安招く恐れ」積極的に説明せず
豊洲市場の一部で土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、一部の職員が都の内部調査に対し『地下空間を積極的に説明しなかったのは、不安を招く恐れがあったから』と話していることが分かった。
これまでの取材で、複数の担当者が地下空間をつくった理由について、『万が一、新たな汚染が見つかった場合に重機を入れて作業するため』と証言しているが、都はこれまでこの地下空間をつくったことを積極的に説明していなかった。
その理由について、過去の一部の担当者が内部調査に対し『土壌汚染対策が不十分との不安を招く恐れがあったので言わなかった』と話していることが都の幹部への取材で分かった。
当時、都は対外的に『盛り土などで万全の土壌汚染対策をしている』と説明していて、そんな中で、地下空間をつくったとなると『対策は万全と言っているのに、なぜ万が一のための地下空間が必要なのか』と不安を招くことを恐れていたという。
一方、地下空間の設置を決めた時期について、2011年3月の基本設計の仕様書には地下空間とは明確に記載されていなかったことが分かっているが、当時の技術系の担当者は日本テレビの取材に対し「当時の技術系の職員の間では空間は地下につくるという認識だった」と明らかにした。ただ、事務系の職員や幹部には情報共有されていなかったという。