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“地下空間”2011年の設計段階で決定か

2016年9月22日 11:43
“地下空間”2011年の設計段階で決定か

 東京・豊洲市場の一部で土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、地下空間を作ることが決まったのは2011年の設計段階だったとみられることが分かった。

 東京都によると、2008年に専門家会議が「盛り土」を提言して以降、市場の建設計画は敷地内全体に盛り土をする前提で進んでいて、2011年3月に都が設計会社に基本設計を発注した際の『仕様書』にも、地下空間について明確な記載はなかった。しかし3か月後の6月に完成した設計書には、地下空間が組み込まれていたという。この2011年3月から6月の間の設計段階で、敷地全体の盛り土から地下空間を設ける構造への変更が決まったとみられる。

 一方で、当時の担当幹部は、「前年の2010年段階ですでに汚染対策のために空間が必要、との議論があった」と証言していることから、空間の検討自体はそれ以前から行われていたとみられている。

 一方、都は21日に帰国した小池知事に5~10枚ほどの内部調査報告書を説明したが、地下空間に決まった経緯や判断した人物は判明していない。ヒアリングは、退職者も対象に市場長など幹部から順に行われているが、市場部門以外ではまだ行われていないという。

 報告を受けた小池知事は、「職員同士で聞きにくいんだと思うが、甘々な調査結果を出してはかえってマイナスになる」と話し、より詳しい調査を指示している。