2011年6月完成の設計書に「地下空間」
東京・豊洲市場の一部で土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、地下空間を作ることが決まったのは2011年の設計段階だったとみられることがわかった。
東京都によると、2008年に専門家会議が「盛り土」を提言して以降、市場の建設計画は敷地内全体に盛り土をする前提で進んでいて、2011年3月に都が設計会社に基本設計を発注した際の『仕様書』にも地下空間について明確な記載はなかった。しかし3か月後の6月に完成した設計書には、地下空間が組み込まれていたという。
この2011年3月から6月の間の設計段階で、敷地全体の盛り土から地下空間を設ける構造への変更が決まったとみられる。3月の仕様書には、地下空間との記載がない一方で、『モニタリング空間は本体設計に含む』との記載があり、この時点で、土壌汚染をモニタリングするための空間を建物本体のどこかに設置する検討をしていたとみられ、基本設計時に地下に空間を設置する判断をしたとみられる。