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2016年10月7日 19:08

免許返納で“お得”?大阪が連続1位のワケ

免許返納で“お得”?大阪が連続1位のワケ
(c)NNN

 大阪で65歳以上が運転免許証を返す“免許返納率”が2年連続で1位となり話題となっている。その背景にはいったい何があるのだろうか。高齢ドライバーによる交通事故に歯止めをかけるための取り組みを取材した。


■“免許返納率”1位の背景は

 脇道からの飛び出しや道路の逆走…一歩間違えば事故になりかねない。JAFメディアワークスから提供されたドライブレコーダーに収められていたのは、高齢者とみられるドライバーによる危険運転だ。

 原付以上の運転手による事故件数は年々減っていて、10年前と比べ約30万件も減少している。しかし、65歳以上の高齢者が起こした事故件数はここ10年であまり変わっていない。

 そんな中、高齢ドライバーによる交通事故に歯止めをかけるために大阪府が行っているのが、割引サービスだ。

 このニュースが伝わると、ネット上でも「ナイスアイデア!(笑)」「免許返納を義務化してほしい」「大阪の交通手段はかなり良いからなぁ」という声があがった。

 いったいどのようなサービスなのだろうか。


■串カツから葬儀まで…様々なサービス

 「“元”高齢ドライバーを応援します!!」と書かれたステッカーが貼られている店では、免許を返納した高齢者が証明書を見せると様々なサービスを受けられるという。

 例えば、串カツ専門店では、店長オススメの季節の串カツを1本サービスしている。また、葬儀会社では、葬儀プランの割引サービスを行っている。ほかにも、占いの相談料が割引されるなど様々な特典がある。

 免許を返納した高齢者が特典をうけられるサービスは、大阪府警などが商店街などに呼びかけて始まったといい、今では約1600店舗が協力している。


■埼玉でも免許返納サービス

 ただ、地方や郊外などにおいて、車は大切な移動手段だ。そこで、埼玉県・所沢市では免許証を返納した人に市内を循環するバスの無料乗車券か、回数券が特典として受けられるサービスを行っている。

 所沢市交通安全課の田中政美課長によると、「高齢者の方が(免許証を)自主返納した場合、そのあとの移動の手段の確保という観点から、必要性を認識しました」とのことだ。

 取材したこの日、免許証を返納して回数券を受け取った人に、自主返納のきっかけについて聞いてみると、こう答えてくれた。

 「1年以上前に病気が見つかって、万が一記憶がなくなって、事故を起こすといけないと思って。(バス無料回数券は)家族も使えるということで、いただきに来ました」

 3年前に始めたこの制度の申請者は年々増加していて、現在、約500人が利用しているということだ。


■年齢ではなく運転技能で“返納”を

 こうした免許証の返納に対する特典サービスは、ほかの自治体でも行われている。その中で成果を上げている大阪でも65歳以上の免許の返納率は3.21%にとどまっていて、いずれの都市も公共交通機関が発達しているところとなっている。

 取材の中で「地方では車はどうしても手放せない」という意見や、「車は生活の足として欠かせない上、元気なうちは運転していたいから返納する気がない」という声もあった。

 年齢によって一律に免許の返納を求めるのは難しい。問題は運転の技能が衰えていないかどうかだ。

 最近では、運転技能を測定する機械をつけることで、自動車保険の保険料を決めていく仕組みも出てきている。一定の年齢に達したら、そうした技術測定をしてもらうというのも1つの考え方かもしれない。