一票格差「違憲状態だが有効」高裁金沢支部
一票の格差が最大で3.08倍だった7月の参議院選挙について、名古屋高裁金沢支部は17日、「違憲状態」としながらも、選挙の無効については認めなかった。定数是正後に行われた7月の参院選では、先週の広島高裁岡山支部に続いての「違憲状態」判決となる。
この裁判は今年7月の参院選について、憲法が定める投票価値の平等に反するとして、弁護士グループが選挙の無効を求めて全国14の裁判所で起こしているもの。今年の参院選は、議員定数を「10増10減」とした新たな区割りで実施されたが、それでも最も有権者数の少ない福井に比べ、一票の格差は石川で1.46倍、富山で1.38倍となっている。
名古屋高裁金沢支部は17日、「区割りの改定で格差は縮小したものの、投票価値の不平等状態は解消していない」と指摘。選挙は「違憲状態」であるとの判断を示した。しかし、選挙そのものは有効であるとして、原告側の訴えを退けた。
原告側は判決を不服として、即日、上告している。