「江戸ご飯レシピ」再現、作って食べてみた
11月28日、「江戸ご飯レシピ」という言葉を含んだツイートが大きく伸びました。
そのキッカケとなったのが、今から230年ほど前、江戸時代後期に出版された「万宝料理秘密箱」(まんぼう・りょうり・ひみつばこ)という料理本です。といっても当時の「くずし字」で書かれているため、今の私たちには読むことができません。
この料理本を「国立情報学研究所」と「国文学研究資料館」が現代の日本語に翻訳し、「江戸料理レシピデータセット」として公開したのです。そのレシピは、日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」でも公開されています。
江戸時代の料理を再現することができると、ネットで大きな話題を呼びました。
ネット上では
「江戸の料理、挑戦してみたい!」
「昔はガスがなかったから大変だったろうな~」
「手間ヒマかかりそう」
といった反応がありました。
今回は「万宝料理秘密箱」の「卵百珍」に記載された卵料理107点が対象で、このうち20点を現代語訳にし、さらに5点をレシピ化しました。
実は現代語に訳しただけでは、私たちが使えるレシピにはなりません。食材の名前が今と異なったり、当時の道具の入手が困難だったりするためです。
例えば「容器ごと水で冷やす」と書かれた部分を「冷蔵庫で2時間程度冷やす」と変更したり、「卵10個」から「卵5個」と現代の生活にあった分量に変更したりします。この作業は、江戸の文化や料理の文化に詳しい専門家の協力を得て行ったということです。
今回、私たちはレシピ化されていない現代語訳だけされた料理の再現にチャレンジしてみました。料理名は「小豆餅卵(あずきもち・たまご)」。
現代語訳された調理の手順はこちらです。
1「小さい卵をゆで卵にし、殻を取る」
2「ゆで卵を水飴(あめ)の中に入れ、表面にくるりと塗る」
3「“2”に煮小豆を付ける。そうすると、餅のように見える」
(再現の様子は動画をご覧ください)
なぜ、江戸料理のレシピを作ったのでしょうか。「国立情報学研究所」の広報の方に話を聞きました。江戸時代の料理のレシピの公開はユネスコ無形文化遺産にも登録された「和食」の歴史と文化を理解するキッカケになればという思いから始めたそうです。
江戸時代は今と違って、砂糖や卵はとても高価で貴重な食材でした。レシピを再現することで、当時の人たちの喜ぶ様子が思い浮かびますね。