こども園で説明会“怒号”“園長は土下座”
量が減らされた給食など数々の問題が指摘されている兵庫県の認定こども園。21日夜、保護者に向けた説明会が行われ、冒頭、保護者から怒号が飛び、園長は土下座したという。
説明会に出席した保護者「(園長の)説明はもう謝るだけという感じですね。(Qどんな言葉で謝罪?)『少ないとは思っていませんでした』という感じ、食事は。2人ほどお父さんがヒートアップして怒鳴られてましたけど」
その後、説明会に立ち会った市の職員が園長を一度退席させたという。すると、残された7人ほどの保育士は-。
説明会に出席した保護者「結構みんなしくしく泣いて。『守ってあげられなくてすみませんでした』と謝罪を始めて。『怖くてやめられなかったです』って。園長先生が怖くて」
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数々の問題が指摘されている、私立認定こども園「わんずまざー保育園」。子どもたちに与えられていた極端に少ない食事。定員の1.5倍もの園児を違法に受け入れた一方、給食は約30食分も不足していた。
ほかにも、園長の虚偽報告や“隠ぺい行為”など不正が次々と発覚している。21日朝、渦中の園長が報道陣に姿を見せた。
わんずまざー保育園・園長「申し訳ないんですけど、今から子どもの受け取りがあるので。(Q今回の問題をどのように受け止めている?)…(無言)」
問題の発覚後、初めての登園日となった21日。多くの保護者が子どもを預けにきていた。
園に子どもを預ける保護者「ショックとしか言いようがないですね。子どもを預けないといけない状況もあるし。いま聞いたところ、給食は改善されているということだったので」「家でもやらないようなことをされていたんだなと。ヒト以下、ちょっと動物扱いみたいな感じ(と思った)」
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そうした中、新たな“不正”が明らかとなった。園で働く保育士が劣悪な勤務実態を語った。
園で働く保育士「朝は7時半出勤だが、7時15分までに必ず園の門を通っていないとだめ。7時16分についても遅刻になって、ペナルティーとして給料から1万円引かれる。手取りは12万円。残業しても手当もないし、普段は(午後)9時半、10時まで残って掃除したりとか」
実は、姫路市に提出する雇用契約書とは別に、保育士と交わした独自の契約書がある。“裏”契約書といえるものだ。遅刻した場合、その当日はボランティア勤務。30分以上の遅刻だと2日間ボランティア勤務とある。つまり、“ただ働き”だ。また、早退した場合も同様に“ボランティア勤務”。備考欄には、保護者を待たせた場合は10日間がボランティア勤務、“ただ働き”になるとあった。
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この園をめぐっては、働く保育士の数を水増しして、人件費や設備費にあてられる給付金を架空請求していたことも分かっている。しかし、“裏”の契約で保育士の給与は減らされていた上、冬でも暖房を使わずトイレットペーパーも持参させるなど給付金を使用していない状態が目立つという。
園長は取材に「架空請求した金額は、個人的に使ったことはない。加算分で不正に請求されていた分は返還できる」と話した。
姫路市などは園長が架空請求した分の給付金の返還を求める方針で、刑事告訴も検討するという。