“日本初” アフリカゾウの「牙」を抜く手術成功 多摩動物公園の砥夢(トム)くん、順調に回復
6年前、左の「牙」を折ってしまった、アフリカゾウの砥夢(トム)。感染症で死んでしまうおそれがあったため、先月、“日本初”という、「牙」を抜く手術、“抜牙”手術を受けました。手術は無事に成功し、順調に回復しているということです。
大きなからだを揺らして歩いていたのは、オスのアフリカゾウ「砥夢(トム)」、15歳です。
このゾウ、実は…
来園者
「あ! 牙がない!」
来園者
「キバがない…」
「牙」に“異変”が──。
右の「牙」が短く、左の「牙」がないのです。
いったい何があったのでしょうか。
壁や柵などに「牙」をこすりつける行動が原因で、6年前、左の「牙」を折ってしまった、砥夢(トム)。感染症で死んでしまうおそれがありました。
そこで受けたのが、“日本初”という、「牙」を抜く手術、“抜牙”手術です。
多摩動物公園 渡部浩文 園長
「5月22日に、左の牙を抜く処置をしました。日本国内では、牙を抜く処置は今までなかったです」
約1年間、入念な準備を重ね、手術当日には国内の獣医のほか、アメリカから“抜牙”経験豊富な専門家を呼び寄せるなど、総勢66人が集まりました。
麻酔がきくと、「牙」を抜く手術が開始されました。
そして、開始から3時間あまりで、無事に手術は成功しました。
手術から2週間、順調に回復しているという、砥夢(トム)。
園長
「砥夢(トム)は15歳で、これからもっともっと大人になっていきますので、しっかりと大きくなって、いいオスになってもらいたい」