みかん・サトイモが「小さい」…台風少なく“渇水”の影響か、価格も高騰 “甘み凝縮”嬉しい側面も 愛媛
今年も気がつけば、残り1か月ほど。そんななか、年末年始に欠かせない食材に異変が起きています。
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都内のスーパーで、お客さんが買っていたのは…
客
「なかなか冬にきらさないフルーツって、みかん」
寒くなると恋しくなる“こたつみかん”。ただ、今年は…
アキダイ 秋葉弘道社長
「全般的に小さいけど甘いから、小さいの我慢して食べてもらうのはいいのかな」
西日本産のみかんが、小ぶりに。仕入れ値も上がり、店頭価格を例年に比べて2割ほど上げたというのです。
客
「値段はちょっと上がっていると思います」
さらに…
秋葉社長
「サトイモが大きい粒のものが非常に少ないイメージですね」
お雑煮に入れるサトイモも大きいものが少なく、店頭価格を2割ほど上げたといいます。その訳は、統計開始以来、最少を記録した今年秋の台風の少なさです。その影響もあり、降水量が少なくなり、西日本を中心に水がかれる“渇水”が深刻化し、農作物に影響が出ているのです。
西日本のダムの貯水率をみてみると40%を切っているところも多く、すでに取水制限が行われているところもあります。愛媛・鹿野川ダムの貯水率は0%で、今月1日からこの状態が続いています。
このダムは渇水の際、貯めた水を川の下流に流すなどの役割を担っていますが、0%に陥ったことで、ダムの底にある水を緊急的に放流し対応しているということです。
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愛媛・八幡浜市で24日、収穫を迎えたみかん農家では…
コウ果樹園 二宮江さん
「温州みかんといいまして、雨が降らなかったことによって太らなかったみかんっていうのが、こちらのSSサイズ」
9月の降水量が極端に少なく、木が弱りみかんが大きくならなかったといいます。
ただ、嬉しい側面も。
二宮さん
「小さいみかんの方が味がぎゅっと凝縮されるので、甘みもあって」
水分量が少なくなった結果、味が濃くなり、甘さが強いといいます。ただ、心配していたのは“来年のこと”だといいます。
二宮さん
「1回弱ってしまうと、元に戻るのがなかなか難しい」
今後も雨が降らない状態が続くと、来年うまく芽が出ず、実がならない可能性を懸念していました。
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隣の大洲市ではサトイモに影響が出ていました。
7月から10月まで、田んぼに週に1回は水をはり、水分を吸収させることが重要ですが…
サトイモ農家 竹岡宏晃さん
「本当はもう少し大きくなっていないといけない。それが、これぐらいだからね」
記者
「全然違いますね」
本来、成長するはずのサイズと比べると、今年は小さすぎるものが多いというのです。
竹岡さん
「廃棄。もうだめ」
小さすぎるものは出荷できないため、廃棄するしかなく、売り上げも3割ほど減る見込みだということです。