×

拉致被害者家族会 早期に「日朝首脳会談」求め首相と面会 北朝鮮との「連絡事務所」設置は…

2025年2月21日 9:39
拉致被害者家族会 早期に「日朝首脳会談」求め首相と面会 北朝鮮との「連絡事務所」設置は…

20日、拉致被害者家族会の横田さんたちが石破首相と面会しました。一刻も早い解決が求められるなか、北朝鮮との「連絡事務所」設置に言及した首相に対して、拉致被害者家族らが反対するワケとは…。また、日朝首脳会談の実現や拉致問題の解決に向けたカギとは?

めぐみさんの母 横田早紀江さん(89)
「日朝会談が大事だと思っていて、1日も早く日本の土が踏めるように、子どもたちに早くその喜びを与えていただけますように」

拉致被害者家族会 横田拓也さん(56)
「もうこれ以上、待てません。もうこれ以上、私たちを苦しめないでください」

■連絡事務所の設置 “交渉の足掛かり”になるか

藤井貴彦キャスター
「20日夕方、拉致被害者家族らが石破総理と面会しました。帰国を果たせていない拉致被害者の家族で存命の親世代は、横田めぐみさんの母親、早紀江さん1人となり、一刻も早い解決が求められるなか、石破総理が北朝鮮との『連絡事務所』設置に言及したことに対して、拉致被害者家族らは直接、反対の姿勢を伝えました」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「この連絡事務所は、石破総理が総裁選の公約にも掲げていたもので、“交渉の足掛かり”を作るとして、東京と平壌に開設するとしていました」

「総理は国会の答弁で、“日本がどう主張し、それに北朝鮮がどう答えるか可視化することが大事”などとして、連絡事務所の設置は『それなりに有効なこと』と説明しました。しかし、これに対し被害者家族は『強く反対』しています」

藤井キャスター
「反対している理由はどこにあるのでしょうか?」

■被害者家族が求める「日朝首脳会談の実現」

小栗委員長
「これまでの北朝鮮の態度を振り返ると、たびたびだますような情報を出し、誠実な対応をしてこなかった経緯があります。北朝鮮が日本人の拉致を初めて認めたのは、2002年の日朝首脳会談で、5人が帰国しました」

「ただ、北朝鮮が死亡したと伝えた横田めぐみさんについて、『めぐみさんのもの』だとして提示してきた遺骨が、DNA鑑定で別人のものであることが判明しました。それにもかかわらず、北朝鮮は『拉致問題は解決済み』と言い続け、首脳会談は20年以上、実現していません」

「北朝鮮は独裁国家ですから、連絡事務所を設置したとしても金正恩総書記以外に決定権はなく、“時間稼ぎにしかならない”という不安があります」

「そこで、20日の面会で改めて、『首脳会談の早期実現』を強く求めたということです。石破総理は周辺に『アメリカがトランプ大統領になったことで拉致問題を動かす選択肢が増えている』と話しているということです」

■拉致被害者17人のほかにも“拉致の可能性”

藤井キャスター
「長い人で50年近く帰国できていない状況が続いている拉致問題について、私たちの世代は知っていますが、今のみなさんは知らないという人もいらっしゃるかもしれません」

小栗委員長
「改めてお伝えしますと、拉致被害者の1人・横田めぐみさんは当時13歳の中学生だった時、新潟市で学校から帰る途中に北朝鮮の工作員によって拉致されました」

「拉致被害者は、無理やり拘束されて連れ去られたとみられるケースのほか、旅行や仕事の誘いと偽って、北朝鮮に連れ出されたケースなどがあります」

「政府が認定する拉致被害者は17人ですが、警察庁は、“拉致の可能性”が排除できない行方不明者として、871人あげています」

■拉致問題を粘り強く解決しようとしているか

藤井キャスター
「とんでもないことが実際に起こって、現在もその影響が続いているということですが、北朝鮮が日本人の拉致を認めてから20年あまりが経ちます。私たちに今できることはどんなことでしょうか?」

小栗委員長
「取材していますと北朝鮮は、たとえば、石破総理とこれまでの総理との拉致問題に関する発言のニュアンスの違いを細かく分析するなど、私たち日本人が、どれだけこの問題を粘り強く解決しようとしているか、とても気にしています」

「それだけに、私たちが拉致問題を知って、忘れないことこそが、解決に向けた1つのカギなんです」

「もし自分の家族が、ある日突然さらわれたらどう思うのか」

「政府の拉致問題対策本部では、この問題を知るためのYouTube動画や『めぐみ』というアニメなども公開しています」

(2月20日『news zero』より)

最終更新日:2025年2月21日 9:39
    一緒に見られているニュース