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Apple「49万円」ゴーグルで……暮らし変わる? 指、声、目で操る“空間コンピューター” 落合陽一さん「10年分の進歩」

2023年6月7日 11:09
Apple「49万円」ゴーグルで……暮らし変わる? 指、声、目で操る“空間コンピューター” 落合陽一さん「10年分の進歩」

Appleが日本時間6日、ゴーグル型の新端末「Vision Pro」を発表しました。空間コンピューターとの位置づけで、装着するとアプリなどが浮かびます。従来のゴーグル型デバイスとどう違うのか、暮らしはどう変わるのか。落合陽一さんと考えます。

■生活を変えてきたAppleから新製品

有働由美子キャスター
「スマホにタブレット端末、時計と、生活を変えるアイテムを生み出してきたAppleが新たにゴーグル型端末を発表しました。どんなものなのか、感想はいかがでしょうか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「今までで一番魔法的な体験なのではないかなと思います」

■装着すると…アプリや動画が空間に

日本時間6日午前5時ごろ、アメリカ・カリフォルニア州。会場に集まった世界各国のメディア関係者の先にあったのは、ゴーグル型の新端末です。Appleのティム・クックCEOはプレゼンテーションで「紹介しよう、Apple Vision Pro」と発表しました。

この端末は、「空間コンピューター」と位置づけられています。装着するとアプリやメール、動画が周囲の空間に浮かびます。手でつまんだり、目の動きや声を使ったりして操作できることが特徴で、価格は日本円で約49万円です。

クックCEOは「これは強力なパーソナル・テクノロジーに新しい次元をもたらす旅の始まりである」と誇りました。

■普及する? 従来型端末との違い

従来のゴーグル型端末と違う最大のポイントについて、ITジャーナリストの石川温さんに聞きました。

「(従来の)メタバースの機械はかけると周りが見えなかったりします。(Vision Proは)ゴーグルの外側にディスプレーが埋められていて、目の動きを周りの人に見せることができる。まるで透明のゴーグルをかけているような感覚で(ゴーグルの外も)見える」

Appleといえばこれまでも、ポケットに入る音楽プレーヤーに、封筒サイズのパソコンなど、私たちの生活を変える革新的な商品を発表してきました。

ただ、今回のゴーグル型端末は49万円もします。普及するのでしょうか?

石川さんは「最初の段階ではAppleファン、Apple製品が大好きな人しか買わないのかなと思います。一方で将来的には、iPhoneでもあるような廉価版というものも出てくる可能性があると思います」と見通します。

■違う場所にいても…同じ景色を体感

有働キャスター
「未来が急に来た、それも来年かもしれない、という話です。落合さんは以前、別のゴーグル型デバイスを紹介していましたが、どう違いますか?」

落合さん
「あれは(メタの)メタクエストで、(今回のApple製品はメタクエストの)4倍ほどの解像度があり、カメラがたくさん付いていて、世界の技術10年分の進歩が入っています」

有働キャスター
「これを着けると、暮らしはどう変わりますか?」

落合さん
「周りの風景や音をとって、見ている様子をそのまま転送すると、有働さんも僕と同じ景色が見えます。それでテレビ会議に出たり映画館に入ったり…」

有働キャスター
「全然違う場所にいても同じ空間にいるような感じで見える、と」

落合さん
「パソコンのモニターが大きく見えたりもします」

有働キャスター
「別の所にいてもそれができますね」

■落合さんが信じる2025年の暮らし

落合さん
「オフィスに置いている大きなディスプレー(を見るより)、ゴーグルをかける方が楽になります。乗り物に乗っていても、風景を撮りながら見られます。スポーツで着けると指示が出てきたりとか、監督がそれに指示を出したら楽じゃないですか」

有働キャスター
「例えば100メートル走だと、世界一速い人の体感がみんなで見られるかもしれません」

落合さん
「映画のディレクターは楽かもしれないし、オフィスの働き方も変わるかもしれません。それを実現するのは、とても優秀なチップです」

「(49万円も)とても安いと思います。おそらく120万円くらいで売ってもいいのではと思えるほどすごい。iPhoneが4つほどくっ付いているようなものですよ」

有働キャスター
「なるほど。すごそうですが、便利になるのでしょうか…」

落合さん
「これで便利にならないのなら、AR(拡張現実)が間違っていたということだと思います」

有働キャスター
「来年発売とすると2024年から、みんなこれを着けて歩いているという景色も…」

落合さん
「おそらく3Dの自分のコピーをみんながオンラインに持つようになって、みんながそれでやっと暮らせる2025年が来ると僕は信じています」

有働キャスター
「…という日が来そうです」

落合さん
「かなり来そうです」


(6月6日『news zero』より)