天皇皇后両陛下 能登の豪雨被災地訪問を終え、“涙を流す人”が多いことに心痛「二重被災」で心が折れそうになっている人々を案じられる
17日、天皇皇后両陛下は能登半島で、元日の地震に続き豪雨災害も受けた被災地を訪れ、被災者などを見舞われました。19日に側近は、訪問を終えた天皇皇后両陛下のお気持ちについて明らかにしました。
側近によりますと、天皇皇后両陛下は、今回の訪問を通じ、震災復興を進める中で豪雨災害が発生し、多くの人が大きな試練に直面していることを身をもって実感し、こうした方々に、引き続き心を寄せていきたいと考えられているということです。
また、今回のお見舞いの訪問の実現に尽力した関係者に感謝するとともに、寒空の下、沿道に多くの人が集まり「ありがとう」と声をかけ温かく迎えてくれたことについて、ありがたく思われているということです。
さらに今後、寒さが厳しくなる中で、被災した方々が安心して生活できる日々が一日でも早く訪れるよう願うとともに、復興が一歩一歩着実に進んでいくことを願われているということです。
両陛下は、17日、現地で石川県知事、輪島市長、珠洲市長、能登町長から説明を受けられました。この地域が、震災からの復興復旧に取り組む中、豪雨による被害を受けたことで、地域の復旧復興に難しい課題が生じ、多くの被災者の方々が苦しい思いをしていることなど、“複合災害”や“二重被災”と呼ばれる災害によって生じているさまざまな困難について改めて理解を深められたということです。
特に、被災者の方々が見たこともないような大粒の雨に恐ろしい思いをしたこと、二重の被災に心が折れそうな人も多いこと、その中で生活の立て直しに取り組んでいることについての説明が印象に残ったと話されているということです。
また首長らの説明に対しては、「建物を解体する作業員や屋根瓦の職人、あるいはボランティアの確保は難しくないでしょうか?」と案じるとともに、災害関連死が多いことについては「災害関連死された方はどのような状況でお亡くなりになったんでしょうか?」と尋ねるなど、個々の状況を心配されていたということです。
3月に輪島市を訪問した際は、移動はヘリコプターだったのが、今回はバスによる陸路の移動となりました。そのことで両陛下は、より近い距離で災害の大きさを目の当たりにし、特に切り立った壁に張り付くように作業をしている重機を見て、危険を伴う復旧作業に当たる人々を案じられていたということです。
両陛下は、被災した人々と話す中、涙を流す人が多く、二重被災を受けて心が傷つけられているというように感じた、とも話されているということです。