「大変でしたね」両陛下、被災者見舞う 能登の豪雨被災地を訪問
天皇皇后両陛下が、17日に石川県の豪雨災害の被災地を訪問されました。お二人は腰を落とし、視線を合わせ、被災者を見舞われました。
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17日午後、石川県輪島市の沿道では、園児など多くの人の姿が天皇皇后両陛下の到着を待ちわびていました。そして、到着した両陛下。バスの前後の窓際の席に座り、手を振って応えられました。
園児
「たのしかったです」
市民
「来ていただけると力をもらえます。うれしいです。ありがたい。しっかり見ていってほしい」
今年9月の記録的な豪雨で、甚大な被害を受けた輪島市を訪問された両陛下。久手川町では川の氾濫で住宅4棟が流され、中学3年生の喜三翼音さんら4人が亡くなりました。
輪島市長から被災状況の説明を受けた後、犠牲者が出た地区に向け深く頭を下げられた両陛下。今回の石川県訪問は、お二人のお気持ちによるものだといいます。
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今年の元日に最大震度7の地震に襲われた石川県。翌2月に陛下の誕生日に合わせて行われた記者会見では…
「石川県において多くの方が犠牲となられ、今なお安否が不明の方がいらっしゃることや、避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております」
両陛下は被災地に心を寄せられ、3月には珠洲市の避難所や、大規模な火災が起きた輪島朝市を視察。4月にも穴水町や能登町で被災者を見舞われていました。
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そして9月。地震からの復興を目指す中、今度は記録的な豪雨に見舞われた能登地方。輪島市では11人が亡くなり、いまも256人が避難生活を余儀なくされています。
豪雨災害の被災地お見舞いのため、17日午前に輪島市に入られた両陛下。
午後には、避難所になっている中学校を訪問されました。腰を落とし、被災者と視線を合わせると、かけられた言葉に、笑顔を見せられる場面も。「大変でしたね」「お大事になさってください」などと、一人ひとりと丁寧に言葉を交わされていました。
地震で家が全壊し、豪雨では仮設住宅が浸水被害に遭ったという女性は…
吉岡久美子さん(70)
「(陛下から)『つらかったね』というお言葉で。『ここにいる人は元々お友達ですか?』と聞かれたので、ほとんど全部ここで知り合った人で、皆さんに感謝しかありませんと話しました。『そうですか。お体大事にしてくださいね、寒くなりますから』というお言葉をいただいた」
市中泰雄さん(86)
「お二人とも優しい目だね。マスクしてるからわからないけど、優しい目をしていた。そういう人たちと話してると、自分自身も頑張るという気持ちになるし」
その後は市役所で、救助や復旧にあたった消防や自衛隊関係者などと面会。何度もうなずきながら真剣な表情で話を聞き、ねぎらいの言葉をかけられました。
被災地に自ら足を運び、人々の言葉に耳を傾けられた両陛下。17日夜に帰京されます。