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【#みんなのギモン】“汚染水”処理の裏で もう1つの大問題 「汚泥廃棄物」の保管場所も満杯に…どうする?

2023年8月22日 21:47
【#みんなのギモン】“汚染水”処理の裏で  もう1つの大問題 「汚泥廃棄物」の保管場所も満杯に…どうする?
液体状の「汚泥廃棄物」と処理水タンク


政府が放出を決めた東京電力 福島第一原発の処理水は、高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」を浄化処理したものです。今、関心は処理水に集まっていますが、じつは浄化処理の過程で、放射性物質を含んだ「汚泥廃棄物」が大量に発生し、この保管場所も満杯に近づいているのです。
溜まり続ける処理水とともに関係者の頭を悩ませる「汚泥廃棄物」の問題。解決することはできるのでしょうか?(報道局 調査報道班 川崎正明)

福島第一原発の敷地南側の一角、処理水タンクが立ち並ぶ中に高さ約10メートル、奥行き約200メートルの巨大なコンクリートの箱のようなものがそびえ立っています。放射性物質を含んだ泥状の「汚泥廃棄物」は、この施設に保管されています。

「汚泥廃棄物」は原発から出る汚染水を浄化設備「ALPS(アルプス)」で処理する際に発生するもので、2種類あります。1つは汚染水に薬剤を注入した結果生じる沈殿物が水と混ざった泥状の液体「スラリー」。もうひとつは放射性物質をこし取るために使われた「使用済吸着材」です。

これらの「汚泥廃棄物」は直径1.5メートル、高さ約1.9メートル、厚さ約1センチのポリエチレン製の容器に入れられ、さらに放射線を遮へいするためコンクリートの箱で保管されています。この廃棄物には非常に高い線量のストロンチウムといわれる放射性物質が多く含まれています。

施設では4384基の保管が可能ですが、2023年8月9日現在で4219基が埋まっています。「汚泥廃棄物」は平均すると約2日に1基のペースで増え、24年夏には満杯になる見通しです。東京電力は新たに192基の増設を計画していますが、これもすぐに満杯になる見通しで「いたちごっこ」の状態が続いているのです。

抜本的な対策は?

汚染水を浄化処理すればするほど増え続ける「汚泥廃棄物」。減らしたり、なくしたりする抜本的な対策はないのでしょうか?

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