蚊に刺されない方法を高校生が研究したワケ
蚊に刺されないための研究を続ける高校生がいます。その研究成果は“足の裏を拭くこと”。そのワケとは――
蚊に刺されやすかったという妹のために、蚊に刺されない方法を発表した田上大喜さん。妹の千笑さんはこう話します。
「兄のおかげで刺されなくなったので、すごくうれしいです」
発表したのは、“足の裏を拭くと蚊に刺されにくくなる”という方法。田上さんによると、蚊に刺されやすい人と刺されにくい人の違いは、足の裏の菌。常在菌とよばれる人の皮膚に存在する菌の種類と数が関係しており、足の裏の常在菌の種類と数が多い人ほど蚊に刺されやすいといいます。
蚊に刺されやすい人の足を蚊に近づけると、蚊が活発に動き回ります。人を刺すのは交尾後の雌の蚊だけです。足に反応して交尾活動が活発になることで、人を刺すと考えられています。一方で、足を拭いた後と比べてみると、蚊の動きは緩慢で、活動の違いがわかります。
この研究は、筑波大学主催の理科コンクールで“科学の芽賞”を受賞。さらに、その後も研究を重ね、人の肌の水分量の違いによって蚊に刺されやすいかどうかを測定する方法も解明中です。
今年、高校を卒業した田上さんは、アメリカの名門・コロンビア大学への入学が決まっていますが、大学内で約10人という特待生に選ばれています。さらに、入学前では異例という大学院の研究室に入り、最年少研究員としてすでに活動しています。田上さんはこう話します。
「蚊によっていろんな人々との出会いも広がって、毎日新しいことをみんなから学ばせていただいている段階で、今学んでいる感じのことを蚊にも応用できたらいいなと思っています」
【the SOCIAL viewより】