パーキンソン病患者の脳にiPS細胞移植
京都大学の研究チームが世界で初めて、iPS細胞を使ってパーキンソン病患者の脳に移植手術を行った。
京都大学の高橋淳教授らは先月、50代のパーキンソン病患者の脳にiPS細胞を移植したと発表した。パーキンソン病は、手足が震え、筋肉がこわばるなどの症状が出る難病で、国内に16万人ほどの患者がいるとされている。
この病気は、「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が減少することで発症するもので、高橋教授らは、患者の脳にiPS細胞から作った神経細胞約240万個を移植した。
iPS細胞を使ったパーキンソン病患者への移植は世界で初めてで、経過は良好だという。高橋教授らは、安全性や有効性を確かめた上で、5年以内の実用化を目指すことにしている。