お風呂につかる人ほど“要介護リスク減”
「お風呂に入る回数が多い人ほど、介護を受けるリスクが減る」という研究結果を、千葉大学などの研究グループが発表した。忙しいときはシャワーで済ませるという人も少なくないが、湯船につかることにどんな効果があるのだろうか。
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■入浴で要介護リスク減…驚きの研究結果が
冬が近づくと恋しくなるお風呂。都内の銭湯では、湯けむりの中、のんびり体をあたためる人たちがいた。
男性客「ゆっくりできるしね。何も考えず」「日本の風習だから。いいことだよね、風呂に行くってことは」
そのお風呂によくつかる人ほど介護を受けるリスクが減るという研究が発表された。
千葉大学・国立長寿医療研究センター 近藤克則さん「3割くらい健康長寿につながりやすい。そんな結果が出ました」
なぜお風呂に入ると要介護リスクが減るというのだろうか。
湯船につかるのは週何回か、番組で40人に聞いたところ、毎日湯船につかる人が半数を超える中、全く入らないという人もいた。入浴の頻度によって要介護リスクに差が出た今回の研究。全国65歳以上の高齢者約1万4000人を3年間、追跡調査すると、週2回以下の人と比べて週7回以上入浴する人は要介護認定を受けるリスクが約3割減少したという。
入浴と要介護リスクの関係について、研究グループの1人である千葉大学・近藤教授は…。
千葉大学・国立長寿医療研究センター 近藤克則さん「血の巡りがよくなったりリラックスしたり、いろんなことがうつの予防になったり、それらが認知機能の低下を防いだり、要介護状態になる確率を下げているのだと思います」
一方で、入浴方法については…。
千葉大学・国立長寿医療研究センター 近藤克則さん「入浴することに伴う危険な面も一部ありますので、十分気をつけながらお風呂を楽しむのが大事」
街の人はどうお風呂につかっているのだろうか?
30代女性「(湯の温度は)39℃か40℃です。あんまり熱いと子どもが嫌がるので」
10代の女の子「(Q.何分くらい入浴しますか?)1分!(Q.なぜすぐに出たくなる?)早くテレビ見たいから」
生活スタイルなどによって人それぞれのようだ。
■冬はヒートショックにも注意!入浴のポイントは?
入浴で気をつけるポイントはあるのだろうか? 温泉入浴指導員の資格も持つバスクリン広報・石川泰弘さんに聞いた。
バスクリン広報・石川泰弘さん「これから寒くなってくると、起きてくるのがヒートショック」
脱衣所と浴室の温度差で血圧が変動し、脳卒中などの危険もあるヒートショック。寒い時期は特に、服を脱ぐ前にふたを開け、湯気などで浴室をあたためることが大切だという。そして、好みも分かれるお湯の温度と時間は?
バスクリン・石川泰弘さん「目安を40℃で、入ったときに心地よい温度がすごく大切」
適度に血液が循環され、リラックスできるという40℃前後のお湯で10分ほどつかるのがポイント。実験では、熱めのお湯に短時間つかるよりも、ぬるめでゆっくりつかった方が入浴後、長い時間、保温状態が維持されているのがわかる。
どうしても湯船につかるのが難しいときは、心臓に近い手を42℃のお湯で10分ほどあたためると効果的。その日の体調でお湯がぬるいと感じたら、温度を微調整することも大切だという。