「日本の海鮮は“核海鮮”」中国SNSに投稿相次ぐ 化粧品にも“不買の動き”
福島第一原発の処理水の海洋放出で、日本の海産物への影響が続いています。中国のSNSでは日本の海鮮を“核海鮮”と非難するような書き込みも広がっています。さらに、化粧品などの“不買を呼びかける動き”も起きています。
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29日朝にも水産物が並んでいた東京・豊洲市場。茨城産のイセエビや宮城産のホウボウなどが集まっていました。活気ある声が飛び交いますが、仲卸業者からは懸念の声も聞かれました。
山治 山崎康弘代表
「8月24日に放出するって決まった日を境にキャンセル、ないしは出荷を減らす。『ちょっと通関きれるか、きれないかわからないから(出荷を)止めてくれ』という連絡はいただきました」
海外の国や地域に水産物を輸出している仲卸会社では、処理水の放出の前日、香港などの取引先から「出荷をとりやめてほしい」と連絡があり、今でも取引が閉ざされている状態だということです。
山治 山崎康弘代表
「準備しちゃった魚も合わせて、大体400~500万円分はいったんキャンセルになっています」
現在は代わりの出荷先を探すなどの対応に追われているということです。
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処理水の海洋放出が開始されてから、日本の海産物への影響が続いています。
記者
「インターネット上では、日本の海鮮を“核海鮮”と呼んで非難する投稿が出回っています」
中国のSNSでは今、「海鮮は“核海鮮”に改名すべき」などの書き込みが広がっています。
さらに標的は海産物だけではありません。「私は日本の水産物だけでなく、日本のスキンケア製品と化粧品もすべて使わない」「日本の化粧品を買うな」など、日本の化粧品を使わないよう呼びかけられています。
来日中の中国人観光客に“不買の動き”について聞いてみました。
中国人観光客
「(日本に)来たときに知った。気にする人はいるけど私は気にしない」
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そして、街中では、日本に旅行で訪れる中国人観光客の数にも変化が出ていました。
斉藤国土交通相が29日に明らかにしたのは、北京や上海などの旅行会社への聞き取り調査です。中国からの訪日旅行について、28日までに一部キャンセルがあったということです。
中国人観光客
「このこと(処理水放出)を知って日本に旅行するのをやめた(人がいる)。航空券を事前に買っていたのでキャンセルができない。事前にこのこと(処理水放出)を知ったら絶対来ないです」
“反日感情”が中国の一部で高まっています。斉藤国交相は「引き続き中国からの旅行客の動向を注視していく」としています。