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「客ゼロ動物園」その再生に挑む21歳

2018年12月28日 14:04
「客ゼロ動物園」その再生に挑む21歳

年間500万円の赤字を出していた動物園に就職した21歳の若者がいる。「この動物園が頭の片隅から離れなかった」というその思いを取材した。

井出十夢さんはお猿さんショーや飼育小屋の掃除、エサ作りなど動物園を休むことなく駆け回る。

井出さん「アリエスー、おはよー!」

飼育小屋に入る時、動物の名前を呼ぶのが習慣だ。

井出さん「いきなり扉開けて入ると、動物が驚いてしまうこともあるので。優しい言葉で伝えてるって部分もあります」

井出さんは今年4月、この動物園に就職したばかりだ。

井出さん「お客さんがいない、少ない、大丈夫か?っていうのは最初の印象でした」

40年以上続くこの動物園。わずか20種ほどを飼育している小規模な動物園だ。開園当初は人気を博していたが、ここ数年は毎年500万円の赤字が続く状態だった。連続6日間、来園者がゼロだったこともある。

そんな3年前、専門学校在学中に初めての実習の地として訪れた井出さん。

井出さん「実習受けて思い当たる節はあったんですよ。ここ変えればいいのになあとか」

その後7か所、他でも実習を重ねたが、この動物園のことが頭から離れなかったという。結果、就職活動をしたのはこの動物園だけだった。

井出さん「給料面とかも含めて将来的な面も含めるとちょっと考えちゃう部分ありますよ」

就職する前から、それはわかっていたのではないか聞いてみると。

井出さん「わかってましたよ。でも、この動物園を再生したいって私は強く思っていたので。親にもすごく反対されましたよ」

井出さんを突き動かしていたのは大規模な動物園では味わえない魅力だった。

井出さん「普通の動物園と違って、お客さんと接する機会もあると思うんですよ。受付もしなきゃいけなかったり、お猿さんのショーで会話とかも。自分は小さい動物園の方が合っている」

メディア露出もあり、動物園には徐々に来園者が増加。新たにイノシシ牧場をつくるためクラウドファンディングで約5800万円も集まっている。

井出さん「宣伝とか営業とか含めて自分が力になってどんどん広めていければ」

【the SOCIAL lifeより】