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日本で“破壊的イノベーション”は可能か?

2018年12月28日 14:19
日本で“破壊的イノベーション”は可能か?

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「日本で“破壊的イノベーション”は起こしにくい!?」。アルファドライブ代表・麻生要一氏に聞いた。

「破壊的イノベーション」とは、従来の商品やサービスを革新的に向上させ、業界全体を大きく変えること。日本生産性本部が大企業238社に行った調査によると、「破壊的イノベーションは、日本企業では起こしにくい」と66%が回答した。

その理由として多かったのは、「リスクをとることに消極的な経営」「流動性不足による人材の固定化」「高度人材の不足」となっている。


――この調査結果をどのように見ますか。

『正しい出島』と書きました。破壊的イノベーションというのはその名の通り、既存事業を破壊してしまうかもしれないイノベーションなので、生むためには普通のやり方ではなかなか難しいんですね。だからこの「出島」と呼ばれる手法が有効なんです。

「出島」というのは、長崎の出島に端を発する“日本だけど半分外国”からきている用語で、既存事業から切り離して、半分外のようにマネジメントができる特区のようなものをつくることを言います。これをやることで、既存事業を破壊してしまうようなイノベーションも起こさせるような組織として活用するという経営手法です。

「正しい出島」というのは、組織をつくればいいかというとそうではなくて、組織をつくった上で、きちんとその組織に、予算や人事などの権限を与えるということが重要です。権限が下りてない形だけの出島というのをつくっている会社が見受けられるので、ぜひ正しい形で出島をつくっていただきたいなと思います。


――なかなか企業側としても出島として出すのは、難しい部分もあるような気がするのですが。

やはり「破壊的イノベーション」を起こしていかないと、いずれの日本企業も成長がとまってしまうような局面にきていると思うので、ぜひトップも前向きの決断をしてほしいと思います。あと「高度人材の不足」という意見がありましたが、僕の感覚でいうと、日本のサラリーマンの現場の方は、大変優秀で高度な技術を持っている方もたくさんいるので、「出島を正しくつくる」ことで、この問題は解消されて、きちんとしたイノベーションが生まれるのではないかと思います。

【麻生要一氏プロフィル】
アルファドライブ代表。リクルートで1500を超える新規事業の立ち上げに携わり、2018年春に独立。その直後に、企業内の新規事業を支援する会社と医療レベルのゲノム・DNAを解析する会社、2つを同時に立ち上げた。さらに起業家を支援するベンチャーキャピタルの運営にも参画。サラリーマンを「社内起業家」へと覚醒させ、日本の企業が新規事業を開発する力を備えることで、新たなイノベーションが生まれる社会を目指している。


【the SOCIAL opinionsより】

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